目次
はじめに:我慢は“心の筋トレ”
子どもにとって「我慢すること」は、大人が思う以上に難しいことです。
なぜなら、それは「欲しい」「やりたい」といった本能的な欲求を、自らの意志でコントロールする行動だからです。
特に幼児期には、自制心がまだ発達途中であるため、“待つ”ということ自体が強いストレスになります。
けれどこの「我慢」は、将来の冷静な判断力や協調性を育てるために不可欠な“心の筋トレ”とも言えるのです。
誰もが通る「欲求とのたたかい」
スーパーで「お菓子買って!」と駄々をこねる。
おもちゃ売り場で「これ欲しい!」と泣きじゃくる。
そんな場面に、心当たりはありませんか?
つい、その場を収めようとして買い与えてしまう……。
でも、それを繰り返すと、子どもは「我慢しなくても手に入る」と覚えてしまいます。
「我慢できる子」に育てることは、親が与えることよりも“教える姿勢”が問われる大切な瞬間なのです。
我慢は「考える力」の土台になる
子どもは、欲しいものがすぐに手に入らないとき、自然といろいろなことを考えます。
- どうすれば手に入るのか
- 本当に必要なものなのか
- 手に入れたあとどうしたいのか
これこそが「判断力」や「計画性」を育むプロセス。
我慢とは、「考えて待つ力」でもあるのです。
老子の教えに学ぶ「柔らかな強さ」
古代中国の哲学者・老子はこう語っています。
「柔よく剛を制す」
これは、“柔軟さ”こそが本当の強さであり、強引に押し通すよりも、しなやかに受け流すことで物事を良い方向に導けるという教えです。
子どもにとって「待つ力」や「我慢」は、まさにこの“柔らかい強さ”。
すぐに感情を爆発させず、少しだけ心を引き戻せる――その力は、人生をしなやかに生き抜く基盤になります。
我慢を乗り越えた先には「感謝と価値」がある
子どもが欲しかったものを「我慢してから」手に入れたとき──
それは単なる物ではなく、“努力して得た成果”になります。
子どもはその達成感とともに、手にした物を大切に扱い、感謝する心を学んでいくのです。
我慢を通して「価値を感じる力」も育まれていきます。
我慢は「今を耐える力」ではなく「未来をつかむ力」
我慢には、バネのように跳ね返る力があります。
今はできない。でも、あとでできるようになる。
今は我慢。でも、あとで叶うかもしれない。
そんな“未来への希望”を持つことで、子どもは前向きな自制心を育てていきます。
親が伝えたいのは「我慢しなさい」ではなく、
「我慢の先にはチャンスがある」
という、希望のあるメッセージなのです。
おわりに:親子で育てる「待つ力」
我慢を教えることに正解はありません。
ときには叱り、ときには待ち、一緒に考え、やり直す──
その繰り返しが、親と子の絆を深め、自制心と信頼の芽を育てます。
親にできるのは、「我慢」を押しつけることではなく、「どうしたら待てるか」を一緒に考える姿勢を見せること。
それが子どもにとっての“安心”となり、将来の“強さ”となっていくのです。
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