高騰する不動産価格、空き住戸問題、相続など、現代社会における深刻な不動産問題を解説。
さらに、新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化や、テクノロジーの進化が住まいに与える影響にも迫ります。
2025年問題、相続対策、テレワークに対応できる、未来の住まいの可能性を探ります。
マイホーム購入を検討している方、不動産投資に興味がある方、これからの住まいについて考えたい方に必読の一冊です。
目次
不動産の現状と問題点
高騰する不動産価格
近年、不動産価格の高騰が顕著になっています。
特に新築分譲マンションの価格は、過去25年間で46.6%も上昇し、多くの人々にとってマイホームを持つことが難しくなっています。
この現象は、特に都市部で顕著であり、経済的な格差を生んでいるとも指摘されています。
その原因のひとつは、高齢富裕層が節税のために、低金利を背景にローンを借りて資産額を圧縮することで相続税を安く抑えるという戦略に出たからです。
そのカラクリは、相続の場合、土地は路線価評価、建物は固定資産税評価となることから、課税対象となる評価額は、時価よりもかなり低く評価されるからです。
このようにして、現金をマンションなどの不動産に替え、相続財産の評価圧縮ができるマンションに勤しむことから、住宅価格が上昇したのです。
これにより、購入を検討している人々は、以前よりもより高い金額を用意する必要があり、「住まいや暮らしの変化」という観点から、将来にわたっての大きな影響が予想されています。
マンションの空き住戸問題
また、マンションの空き住戸問題も深刻化しています。
都市部を中心に、購入されるものの居住されていないマンションの住戸が増加しており、資産価値の低下や管理の問題を引き起こしています。
この問題は「民族大移動」とも関連し、人々のライフスタイルの変化や価値観の違いから生じているとされ、今後の不動産市場において大きな課題となっています。
相続に伴う問題
さらに、相続に関する問題も顕在化しています。
日本は大量相続時代に入り、相続に伴う土地や不動産の処理が課題となっています。
所有者不明土地問題や相続人間でのトラブルは、今後も増加すると見られ、不動産市場に大きな影響を与えるとされています。
この最もたる原因は、国や自治体が、どれくらい新築が建って、どれくらい解体しているかなどの情報を記録として残しておらず、全く把握してこなかったことが原因です。
これらの問題に対する解決策として、相続税制の見直しやデジタル化による土地の管理方法の改善などが議論されており、不動産の未来を左右する重要な要素となっています。
デジタル化による管理方法としては、近い将来、ブロックチェーン技術を利用した管理が行われることでしょう。
ブロックチェーン技術のメリット
改ざん耐性
ブロックチェーンは、一度記録されたデータは後から書き換えることができないという特徴を持っています。
そのため、不動産登記情報が不正に改ざんされるリスクを低減することができます。
透明性
ブロックチェーン上の情報は、参加者全員に公開されています。
そのため、不動産登記情報へのアクセスが容易になり、取引の透明性が向上します。
効率化
ブロックチェーンを用いることで、不動産登記手続きを自動化することができ、手続きの迅速化とコスト削減が期待できます。
海外の取り組み
ジョージア政府は、2018年に国家土地登記簿をブロックチェーンに移行しました。
これにより、登記手続きの迅速化とコスト削減を実現しました。
新型コロナウイルスの影響
暮らし方、働き方の変化
新型コロナウイルスの世界的流行は、私たちの暮らし方や働き方に大きな変化をもたらしました。
テレワークの普及によって、従来のオフィスでの勤務形態が見直され、在宅で仕事をする人が急増しました。
これにより、住まいのあるエリアや間取りに求められる機能が変化し、民族大移動や相続人大異変のような現象にも影響が及んでいます。
特に、家での過ごし方が重要視されるようになり、住まいや暮らしの変化を意識する人が増えています。
住まいへの価値観の変化
住まいへの価値観も大きく変化しています。
以前は立地や広さが不動産選びの重要なファクターでしたが、新型コロナウイルスの影響で、自宅での時間が増えたことにより、快適性や機能性、そして働くスペースの確保が重要視されるようになりました。
また、災害に備える生活の準備や、持続可能な生活への関心が高まり、エコフレンドリーな住宅や省エネ設備への関心も高まっています。
これらの変化は、不動産の未来やマイホーム大転換時代に備えた動きとして、2024年以降も引き続き見られると予済されています。
未来の住まいの可能性
テクノロジーと住まい
未来の住まいとテクノロジーの融合は、驚異的なスピードで進化しています。
スマートホームの概念が広まり、家全体をインターネットに接続することで、照明、暖房、セキュリティシステムなどが声やスマートフォンから制御できるようになりました。
さらに、家族の健康状態をモニタリングする機能や、省エネルギーを実現するための先進的な管理システムなど、住まいや暮らしの変化に対応する新技術が登場しています。
これらの進展により、マイホーム大転換時代において、より便利で快適な生活が実現されることでしょう。
新しい価値創造の方向性
不動産の未来を考える上で、新しい価値創造の方向性は非常に重要です。
たとえば、災害に備える設計や相続人大異変に対応する物件の柔軟性など、社会的なニーズに合った住まいの開発が期待されています。
また、テレワークの浸透によるオフィスと住居の機能融合や、共働き世帯の増加による共有スペースの重視など、変化するライフスタイルに適応するための住宅提案が求められています。
不動産業界がデジタル化を進める中、新しい生活様式に合わせた、柔軟で持続可能な未来の住まいが、ますます注目されるでしょう。
まとめ
「不動産の未来 マイホーム大転換時代に備えよ」から抜粋したものです。
Amazonレビューの中に「二度読みした」と言うコメントがあり、二度読みするほどの充実した内容の本であれば、値打ちがあるだろうと思って購入しました。
不動産を学ぶのであれば、間違いなく「買い」の本ですね。
2050年までにカーボンニュートラルを実現させるために、色々な施策が打ち出されていく中で、どのようにして上手く乗り切り、住まいを確保する事ができるのかが大きな課題となっていきます。
これからの時代は、自治体が率先して住みやすい環境を整え、地域活性化につながるような都市開発計画を立てなければいけなくなってくることでしょう。
超低金利時代がいつまで続くか分かりませんが、自分の人生の残り時間と、ローン返済期間を天秤にかけて、どちらが早く終わるのか、と言う概念をベースに、最悪は売却すれば良いと言う楽観的要素も踏まえた上で、 持ち家購入を検討されてはいかがでしょうか?