概要
フリーランスがカッコ良いとされる時代ですが、それに伴い見えない苦労が立ちはだかります。それは紛れもなく「資金繰り」で、これは事業主である限り最も大きな悩みです。この小説の主人公も「資金繰り」で何度も倒産の危機にあいながらも不死鳥の如く蘇るハラハラドキドキさせられるメガネ屋の奮闘物語です。
経営はセンスである
借金14億円の眼鏡屋を買収し、経営に乗り出した30代の青年が繰り広げる眼鏡屋(オンデーズ)再生物語。
まずここで田中さんのすごいところは、「借金14億円があると言う事は、逆に考えると14億円融資してもらえている」と考える所です。
この考えはなかなか出来ません。
「経営はセンスである」という言葉を聞いた事がありますが、まさにその通りで、この本を読むと、危機に陥った時の対処法が今後の人生を左右するという事が分かります。
一つ判断を誤ると、物事が大きく崩れて行く。
という事を頭では分かっているものの、実際に直面した時には冷静さが無くなり判断を間違ってしまうものです。
確かに、この小説でも、投げやりになってしまいそうな心情が描かれています。
が、その度に、周りのスタッフ達に助けられ、軌道修正をしながら大きな決断を下して行きます。
この本から得られる大きなポイントは、経営者たるものは、先を見通す目と、大胆な決断力と判断力がとても重要である事が分かります。
その為には、いついかなる時も「平常心」が大切であるという事を学ばされました。
そしてもっと重要なのが「仲間(スタッフ)」がいると言う所。
私も、個人事業主だった経験があるので、著者の心情はよく分かります。
ただ一つ、私と大きく違うところは、フタッフが居るかいないかと言うところです。
自分一人で考えて決断するのは、その考えが間違っていても、誰にも間違っていると指摘されずに、間違いのまま遂行されて行くと言う危険が潜んでいます。
ところが、周りにスタッフがいる事で、問題点を話し合い解決策を考えていける上に、その問題が解決したあかつきには、問題を一緒に戦い抜いたと言う友情が芽生え、チームの結束力が強固になって行きます。
この泥臭い作業こそが、企業を強くして行く秘訣でもあると私は思うのです。
この本の中で、ビジネスリーダーが学ばなければいけない文章があります。
それは「いつだってビジネスマンである皆んなを、一つにまとめるための効果的な特効薬は「結果」である」と言う事です。
その結果をどの様に出すのか?
それこそが「経営のセンス」であると私は思うのです。
※ Audible版で聴くのも良いです。(無料体験あり)