中小企業改革
「中小企業改革」として、この10月に引き上げになった最低賃金をさらに年5%ずつあげていく事になった。
大企業は日本企業の0.3%に過ぎず、0.3%がどんなに規模を大きくして、どんなに賃金をあげても、日本経済全体への影響は限定的だからという理由からです。
この春(2019.4)から、働き方改革として残業時間に規制がかかるようになった為に、そのしわ寄せが下請けに回ってしまい、利益を生まないブラック労働の無理を、さらに弱い立場である、最低賃金労働者へ押し付けると言う現象が起きている。
労働者という「下」に事業コストを押し付けるスタイルを続けてきた結果が、「失われた20年」をつくったということでもあり、さらに「外国人労働者の活用」や「女性活躍」という新たな「下」をつくろうとしている限りは、「失われた30年」になるのでそれを回避しなければなりません。
負の連鎖を断ち切る為に
この負の連鎖を断ち切る為に、弱い立場である最低賃金労働者の地位をあげていくしかなく、最低賃金が一律で上がっていけば、全国の中小企業は、大企業からの無茶なリクエストを拒むしかなくなると言う理論です。
その決められた最低賃金で人を雇う事ができなければ、利益が出なくなり、中小企業は廃業か倒産に追い込まれると言う事案が生まれて来ます。
これによって、この経営者に最低賃金労働でコキ使われていた従業員は解放されるので、むしろ喜ばしい話だと言う解釈なのです。
このようにして、最低賃金の継続的な引き上げで、自然淘汰が進めば、それなりの規模の中小企業が増えるので、生産性も向上するし、労働者の賃金もアップしていくというわけで、これが国が求めている対策なのです。
断る勇気
今までなら、長年のお付き合いだからと言う理由で、「お友達価格」いわゆる「なぁ、なぁ」の「馴れ合い価格」で商売して来たのを断ち切らないといけない時代になったのです。
そもそも商売とは「利益があってナンボ」なんですから、損したらアカンのです。
記憶に新しいのでは、佐川急便のアマゾン撤退は勇気ある決断だったと思います。
このアマゾン撤退から、規格外の商品を取り扱うのを辞めて利益を取り戻していきブラック企業から脱却しました。
その反面、佐川急便が手放したアマゾンの荷物を、喜び勇んで取りに行った業者がヤマト運輸です。
この爆発的なアマゾンの物量を取りに行ったので、現場のドライバーが配達に追われて激務となり、今やブラック企業と化して行きました。
値引きとポイントどちらが得か
2019.10月から消費税増税にともなって、キャッシュレス決済が導入されポイント制度と軽減税率についての話題が多くなって来ました。
値引きとポイントどちらが得か
20%のポイントがもらえるのと、20%の値引きは意味が全く違い、値引きが当然お得となります。
ポイントの場合
1万円を支払うと、2000円分のポイントがもらえます。
このポイントを使うと、2000円分の物が買えるので、1万2000円分の物を、1万円で買ったことになります。
値引きの場合
1万円を支払うと、いくら分買えるでしょうか? なんと、1万2500円分買うことができます。
1万2500円の20%引きが、1万円になるからです。
つまり、値引きのほうが得、ということがわかります。
損して得とれとは?
増税ながら税込価格の据え置きで実質値下げ
増税ながらマクドやケンタッキーなどは、税込価格の据え置きで実質値下げという戦略に出て来ました。
なぜ実質値下げまでして税込価格を同一にしたのかと言うと、顧客が逃げる可能性があるからです。
例えばビッグマックの場合、消費税率10%を適用すると397円になり、1円の単位は0円にしたいので、四捨五入すると400円になります。
増税されたのだから当然とはいえ、客側からみれば10円の値上げは厳しく、
値上げすれば持ち帰りが多くなるので、持ち帰り用の紙袋などが必要になりコスト高につながるからです。
不況になると経営者の判断力が試される
私の住んでいる街は、スーパー激戦区であります。
そんな激戦区の中に、駅前一等地の更地から、商業施設ができて、その中にスーパーイケチューというのが入ったにも関わらず、一年経たずして負債10億円の倒産をしてしまいました。
近くの街では、スーパーイケチューしかないと言う場所があり、独占販売できているにも関わらず、一等地に勝負をかけたのです。
イケチューというのは、1973年設立され、大阪府堺市を中心に食品スーパーを展開し、質のいい生鮮食材を売りにしたコンセプトで独自性を打ち出していましたが、近年は業績が厳しく、2004年には大阪地裁へ民事再生法の適用を申請して再建を目指していました。
これで二度目の倒産です。
業界関係者からは、駅前一等地の出店はかなり厳しいよと言う声があったほどです。
お店の正面には駅と隣接した生協(COOP)があり、イズミヤあり、激安スーパーディオやラ・ムー、地域密着のオークワ、万代、松源、産直のよってってなど、ザックリと10件近くあるのです。
そんな所に堺市を中心とした小さなスーパーが、大手に殴り込みを掛けたら負けるのは当然の事。
雨が降れば当然、商品が高くとも濡れないように屋根付きがある場所に買い物へ出かけます。
産直のように新鮮さを売りにする様な武器もなく、普通に出店するだけなら、お客様の目が肥えているので、客離れが起きるのは当然の事。
電気代や人件費などの固定費にテナント料となると、相当な売り上げをあげないと赤字に陥ってしまいます。
なぜ、独占販売できている場所を大事にせずに、大きな勝負に出たんだろう?
これが「商売は欲との道連れ」と言われるものだろうか?
経営者の判断ミスとしか言いようが無い案件であります。
「廃業」は断腸の思い
かくゆう私も、輸出梱包業を営む個人事業主でした。
経済の悪化から、「廃業」と言う手段に出ましたが、それはそれは断腸の思いでありました。
その経済の悪化が、「リーマンショック」と言うものだったのです。
町工場や倉庫には差し押さえの「赤紙」が貼られ、自殺者も多くみられた時代でありました。
差し押さえられた工場や倉庫は、競売にかけられる前に売りさばこうと言う業者がいて、よく私の所に営業に来たのを覚えています。
今、このリーマンショックによく似た様な状況にあるのでは無いかと感じています。
「廃業」と言うのもリスクを最小限にとどめると言う選択肢であると言う事を覚えておいていただきたいのです。
私は「廃業」した事によって、現在の運送会社にて就職する事ができ、安定的な暮らしが出来ております。
「勇気ある撤退」これは重要課題です。