仕事

海外進出失敗のドツボ企業

要約
  • 先代の予言
  • そして技術が盗まれた!
  • 日本植民地化計画

梱包業は最新経済を知る最高の業界

私はリーマンショック前まで輸出梱包業をしていました。
この業界は、経済の最新情報が手に入るのですごく面白い業界です。

例えば、ある時期から工業用のミシンを中国へ輸出する為に、大量に木箱梱包の注文を受けました。

のちに分かった事なんですが、それはユニクロを代表とする服飾関係の業界が、中国進出する時代だったのです。

その後すぐにユニクロの「フリース」と言うヒット商品が生まれました。

ある時には、金型が頻繁に輸出されていきました。
その金型は携帯のフレームを作る為の金型だったのです。
それから二つ折れのいわゆるガラケーが爆発的に普及していきました。

自動車部品もそうですし、船に使う羅針盤や、制御盤、印刷機械などなど、様々なものを梱包し輸出していたので、経済誌や新聞よりも先に生で経済に携わることが出来るから、これから何が起こるのだろう?とワクワクが止まりませんでした。

経済を知りたければ輸出梱包業界に飛び込むのが良いでしょう。

先代の予言

まだ弟子の頃、先代が「海外をナメてたら痛い目に合う」「撤退せざるを得なくなりいずれ帰ってくる」「人間は世代を超えて同じ過ちを犯す」って言ってました。

それは、海外進出に失敗した企業を見てきた経験談からなるものでした。

そして私が事業主となって、色々な社長様との話を聞いていると、先代が言っていた意味が理解できたのです。

そして技術が盗まれた!

さぁ、これから中国進出の時代が来るぞ!
夢や希望がそこにあるから工場を建てるんだ!と意気込んで、大企業から中小企業まで、いわゆる猫も杓子も中国、中国、中国でした。

中国はその頃、世界各国に向けて広大な土地と膨大な人口をアピールし、工場誘致するように誘導していきました。

世界中が何の疑いもなく中国に工場を建てていったのです。

日本も例外ではありませんでした。
その為に輸出梱包業が潤っていたのです。
ただその反面、産業の空洞化が予測でき、それに加担していると言う意識があったのも事実です。

企業の考える事は単純です。

中国工場で日本の最新鋭の機械を設備して、オペレーターを連れていき、中国人を指導してオペレーションや技術を覚えて頂いて製品を作ると、人件費が安いから利益が取れると考えたのです。

ですが、中国はそれ以上の事を考えていたのです。

小説「三国志」を読んでいたら分かる事なんですが、彼らは合理的に物事を考えます。

ただ考えるだけでは無くて、考え抜くのです。
どのようにしたら「勝てるか」と言う事を。

当時の中国が一番欲しいのは世界に対抗できる「技術」でした。
「技術」を手に入れる事が出来たら経済を手に入れる事が出来ます。
「技術」を手に入れる事で、経済大国になれるのです。
それが彼らの一番の「目的」でした。

「技術」が欲しければ、先に「土地」や「工場」や「人口」を与えるのです。
「技術」を手に入れたら、全て回収にかかります。

回収の仕方はこうです。

正月休みなどの長期連休明けには、誰も従業員が出勤しません。
従業員がいなければ、工場が回らないので、何とかならないかと中国側に交渉します。
でも、中国側はどうにもならないと言って突っぱねます。

もう終わりだよと告げて、国へ帰りなさいと促します。
国へ帰るのに、機械は置いて行った方がいいですよ。と言うのです。
だって輸送費から色々考えるとコストがかかるでしょ?
だから全て置いて行った方が良いよと、あたかも相手が得をするような方法で説得し、企業撤退していくのです。

大企業はそう言う事に気がついた瞬間、大金を払って撤退しましたが、大企業について行った中小企業は違約金などの支払うお金もなく、身ぐるみ剥がされていったのです。

お見事、アッパレですよね。

この事実を知って「エグい」と思われた方が多いでしょう。
だけど、そう思う自体が「甘い」んですよね。
そんなに世間は甘くないですよ。
特に相手は「世界」です。
日本の常識なんて通用しません。

そう言う事を先読みできた中小企業は、どれだけ催促されても海外進出はしませんでした。
もっとも賢い選択だと思います。

そういう人達は「技術を盗まれる」事を知っていたからです。

「技術」が産業を発展させ、経済を発展させていく事を理解しているのです。
そう、現場経験者が一番現状を把握しているのです。

机上だけでは上手くいきません。

しかも、中国では、売り上げた金額を誘致国に持って帰ることは出来ません。
中国で売り上げたものは中国のものなんです。

いわゆるドラえもんの「ジャイアンルール」が適用されるのです。

「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」と。

その結果、見事に中国経済が発展し、富裕層が増えて、日本で爆買いブームが起きたのです。

さぁ、地獄を見たのは日本企業です。
今や、ほとんどの有名な日本企業は外資系になっていってますよね?
その目的は「日本植民地化計画」なのですから。

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